せっかく数多くの光回線のサービスの中から選んで、申し込み、開通。
さて、やっと前よりも快適なインターネット通信生活が送れると思ったら・・・・
「ん?てか、あんま速く感じないんだけど・・・」こういうトラブルの原因を知っておかないと損します。
光回線なのに速度が遅い状態にならないためにも契約前に知っておくべき配線方式について解説します。
光回線の配線方式が最適でないと速度は遅くなる
一言で光回線と言えど、各社様々なプランが存在します。
その際に意識しておいて欲しい光回線の配線方式。
現在、光回線の配線方式には以下の3つがあります。
- 光配線方式
- VDSL方式
- LAN配線方式
2024年現在での光回線の速度は、光回線の提供業者やプランによって異なりますが理論値で下り最大1Gbps~10Gbps(中には20Gbpsも出始めた)、実測値の平均で200Mbps~800Mbpsぐらいです。
光回線のサービスを提供する各業者の公式ホームページに記載されている最大速度は理論値で、光回線を光配線方式且つ有線LANで直接接続した際の数値となります。
つまり、私たちが光回線のサービスを検討してる際に比較対象として見ている速度は、光回線をベストな配線方式且つ有線LANで接続した場合の理論上の数値です。
ですが、ベストな状態であれば、理論値よりは速度は落ちるものの、現在の光回線であれば快適なインターネット通信を行うことに違いはありません。
しかし、様々な要因が重なることで、悲しいかな平均的な実測値よりも遅くなるインターネット環境が出来上がってしまいます。
その1つが光回線の配線方式の違いです。
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以下参照画像:Flet’s光 東日本さまより
光回線の光配線方式(BEST)
光回線の光配線方式とは、電信柱から各部屋まで光回線のみで構成された配線方式です。
電信柱からマンションやアパートなど集合住宅の共用スペース(MDF室:マンション設備スペース)を通り、各部屋は1本の光回線で繋がっています。
光回線コンセントからONU(光回線終端装置/見た目はモデムみたいなやつ)に接続し、そこから有線LANで接続、もしくは必要であればWi-Fiルーターでインターネット通信を利用したい端末(PCやスマホ、タブレットなど)へ接続します。
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光回線のVDSL方式(NO GOOD)
光回線のVDSL方式とは、電信柱から各部屋までを光回線と電話回線(メタルケーブル)で構成された配線方式です。
集合住宅の共用スペース(MDF室:マンション設備スペース)までは光回線、そこから各部屋までは電話回線で繋がっています。
室内の電話線ジャックからVDSL装置(モデムみたいなやつ)に接続し、そこから有線LANで接続、もしくは必要であればWi-Fiルーターでインターネット通信を利用したい端末(PCやスマホ、タブレットなど)へ接続します。
光配線方式とVDSL方式では、電信柱から集合住宅の共有スペース(MDF室:マンション設備スペース)までは同じですが、そこから各部屋までの配線が異なります。
これが大きな違いで、集合住宅の共用スペース(MDF室:マンション設備スペース)から各部屋までがモジュラーケーブル(電話配線)のため、この段階で強制的に光回線の速度が遅くなってしまいます。
途中から電話配線になるため、最大下り100Mbps程度となってしまいます。
せっかく速度が速い光回線のサービスを契約しても、自宅の光配線方式がVDSL方式であれば、通信速度は理論値はもちろん、実測値もかなり低いのではないでしょうか? 自宅の光回線の配線方式をVDSL方式から光配線方式に変更できないものか[…]
ちなみに私が住んでいたマンションではこのVDSL方式のため、VDSL+Wi-Fiルーター(Wi-Fi6E)で実測値で下り89.0Mbps、上り46.1Mbpsです(汗)ソフトバンクのモバイル回線(5G)では実測値下り162.5Mbps、上り32.0Mbpsだったので、スマホの方が速いという(悲しみ)
光回線のLAN配線方式
光回線のVDSL方式とは、電信柱から各部屋までを光回線とLANケーブルで構成された配線方式です。
集合住宅の共用スペース(MDF室:マンション設備スペース)までは光回線、そこに設置している1つのONUから各部屋にLANケーブルで配線しています。
室内にケーブルが出ている場合やLANコンセントがすでに設置されている場合などがあり、そのまま有線LANで接続、もしくは必要であればWi-Fiルーターでインターネット通信を利用したい端末(PCやスマホ、タブレットなど)へ接続します。
VDSL方式とLAN配線方式を比較して、最大下り速度100Mbps~1Gbps(理論値)とVDSL方式よりも速いですが、光配線方式よりは劣ります。
マンションやアパートで、インターネット利用料無料や家賃に格安の利用料が含まれている物件ありますよね?
そのような物件は、光回線をLAN配線接続している場合がほとんどです。
VDSL方式よりは速度が速いですが、光配線方式よりは遅いです。しかし、Wi-FiルーターやLANケーブルのスペックを上げれば十分速くなりますのであとはあなたの工夫次第ですね。
注目すべきは配線方式別の最大速度
以下これまでの配線方式を簡単にまとめた表です。
配線方式 | 共用スペースまで | 共用スペースから各部屋まで | 最大下り速度(理論値) |
光配線 | 光ファイバーケーブル | 光ファイバーケーブル | 1Gbps~10Gbps |
VDSL | 光ファイバーケーブル | モジュラーケーブル(電話配線) | ~100Mbps |
LAN | 光ファイバーケーブル | LAN | 100Mbps~1Gbps |
つまり、あなたがいくら速い光回線サービスを申し込んだとしても、配線方式が「光配線」であれば、速度は出ません。
光回線の各配線方式のメリットとデメリット
次に、光回線の契約に失敗、後悔しないためにも各配線方式のメリットとデメリットを理解しましょう。
光配線方式のメリット
- 3つの方式の中で最もインターネット通信速度が速く、安定している
- 新しいマンションは光配線方式をすでに導入してることも多いので開設スピード、導入コストが安くなる場合もある
- ONU(光回線終端装置)は提供業者から無料でレンタルできる(後はお好みでWi-Fiルーターを購入するかどうか)
光配線方式のデメリット
- 料金プランが比較的高め
- 工事費が高額になる場合もある
VDSL方式のメリット
- 大規模な工事は不要で導入が容易である
- 通信の安定性はまあまあ
- 料金プランが安い
VDSL方式のデメリット
- 光回線のインターネット通信速度はぜんぜんでない(100Mbps未満)
- でも普通に使える程度
LAN配線方式のメリット
- 格安で利用できる場合がある
- 工事不要
- 工事・解約費用がかからないことがある
- 無線ルーターを用意せずに済む場合がある
LAN配線方式のデメリット
- VDSL方式よりは速いし安定しているが光配線方式よりは遅い
- 建物内全体で利用者が多いと速度が落ちる場合もある
【光配線方式の確認方法】あなたの光回線はどのタイプ?
現在のあなたの部屋がどんな光配線方式なのかを見分ける方法はいくつかあります。
これから新たな光回線サービスを契約する場合、引っ越し先で回線も引っ越すまたは新たな光回線サービスを契約する場合も、事前に確認しておきましょう。
①自宅のコード差込口を確認する
現在住んでいる自宅での光回線の配線方式を見分けるには、自宅のコード差込口を確認すれば簡単にわかります。
- 光配線の場合は「光」または「光コンセントSC」と記載されています。
- VDSL方式の場合は電話回線と同じモジュラージャック(いわゆる電話線)があります。
- LAN配線方式の場合は、壁からLANケーブルが直接出てるもしくは壁にLANケーブルを差し込むことができるようになっている
②回線終端装置の正面・側面を確認する
回線終端装置(モデムみたいなやつ)のボディ正面や側面にONUとあれば光配線方式、VDSLとあればVDSL方式です。
LAN配線の場合はこれ自体がない場合が多いです。
③契約している回線業者に聞いてみる
自分で確認できますが、自身がない方は契約している回線業者に聞いてみても教えてくれます。
④マンションやアパートの管理会社に聞いてみる
現在住んでいるマンションやアパートの管理会社に聞いてみるのも1つの手です。
状況によっては回線業者に聞いてくれと言われる場合もあります。
また、引っ越しの場合は物件を選ぶ際に不動産の仲介業者に聞いておくことも大切です。
光回線の契約完了前に確認しておくべきこと
契約後だと余計に手間暇かかるので、光回線の契約が完了する前の段階で事前にどの配線方式に対応しているか確認しておきましょう。
中にはプラン自体はあるが、肝心な住んでいる建物が対応していない場合も少なくはありません。
また、光回線業者のプランが複数あり、料金が異なる場合もあります。
今回は光回線の3つの配線方式について解説しましたが、ご理解できましたか?
中には私のように「えーー、うちVDSLやん、だから遅いのか」や「うーん、今より速くて安定したインターネット通信にならないかなぁ」と思っている方もいるのではないでしょうか。
インターネット通信速度を今より速くする方法に関しましては別記事にて解説しようと思っています。